はちたろ様インタビュー

―― では今日はよろしくお願いします。初めに小説を書こうと思ったきっかけはなんですか?

A. 観た夢を、表現しようとしたことでしょうか。

―― どんな夢だったんですか?

A. 風景が、とにかく綺麗な夢でした。すべて言えませんが、「壮大」でしたね。

―― その風景が特に書きたいテーマなんですね。

A. そうですね。風景って書き表せないようなモノがありますが、私のはそれではないかと。それが表現できれば、いいなぁ、と思っております。その夢、ストーリーももちろんありましたが、それはほとんど忘れてしまってます。やはり、表現したいのはあの美しさなのではないか、と。

―― なぜ絵じゃなくて小説を選んだんですか?

A. 文を書くことの方が好きだったからでしょうか。絵は、どうも「遊び」の領域なので。

―― 今、夢をテーマにして書きたいというお話でしたが、他にはどういうときにネタを思い浮かびますか?

A. ひとりでいるとき、特に学校の行き帰りに田んぼや空を見ながらいくときに。自然に囲まれていると浮かびやすいようです。

―― 自然をテーマにしたようなネタを思いつくのですか?

A. そうですね。よく考えたら自分が書くものにはほとんど自然が入ってます。・・・テーマってほどでもないですが、一応文章を飾っております。

―― 人物先行型ですか? それともストーリー先行型? 思いつくときはどっちが先に?

人物の内面からです。日々、いろんなこと考えてますので、ネタは尽きません。

―― 書くときには人物とストーリー、どっちを重視しますか?

A. 人物です。ストーリーは、結構成り行き任せなことさえあります。

―― 日々いろんなことを考えているというのは具体的にどんなことを?

A. 具体的に・・・、たとえば友達とは何か、学校とは何か、差別と区別の違い・・・、そういったところですね。

―― 小説を書くために何かしていることはありますか? 情報収集とか、ネタ探しとか。

A. 特に何もしてません。しいて挙げるなら、些細な出来事でも自分の感想(意見)を持つようにすることくらいでしょうか。

―― 小説を書き始めるタイミングとしては、どの程度話ができたところで書き始めますか?

A. オレンジさまの小説講座を拝見しましたが、私も似たような創り方をしています。人物の設定→各章(段落)での確実に言わせたいセリフ→だいたいの肉付け・・・この頃には話ができてますね。二番目の段階で書くこともあります。

―― では大体話が決まった段階で書き始める?

A. ・・・時もあれば、いきなり最初から書くことも。ノるときに波にノります(重要)。

―― では、小説を書き始めるときには、膨らましながら書くのか、勢いで突っ走るのか、書きやすいところから書き始めるのか……

A. 前者ふたつです。書きやすい・・・はできません。

―― 書いている途中で続きが思い浮かばなくなったらどうしますか?

A. やめます。時間をおいてまた考えなおして、それでもダメなら一部分を変えるか、その小説自体書くのをやめます。

―― 作品を書くのをやめるのに未練が残るときってありませんか?

A. どうしても書きたい、って時には苦し紛れに書きますが、あまりよくないですよね。次の機会に延ばすことが多いです。

―― 小説を書くときに気をつけていること、工夫していることを教えてください。

A. 工夫・・・と言えるかどうかわかりませんが、言葉(単語?)の使い方です。「ひとり」という単語でも、「ひとり」と「一人」では受ける印象ぜんぜん違うので。

―― レトリックとかは使う方ですか?

A. いや、そんな大それたものはしません。というか、使えません。

―― そうですか。書いた後は推敲とかしますか?

A. ある程度は。書いてる途中に読み直して、その都度直している場合が多いのであまり書き直すことはないですが。

―― 書いている途中でも書き終わった後でもいいんですが、読み直すときにはどんな点に気をつけて直しますか?

A. 誤字脱字。それから、人物のキャラを混同してしまうことがあるのでそこを直してます。(口調とか)

―― 描写を直したりということはあまりないですか?文章が気にいらない、と言うか……

A. それはあまりないです、なぜか。

―― 好きな作家、本はありますか?

A. 村上春樹さん、長野まゆみさんです。本は、『キャッチャー・イン・ザライ』(J・D・サリンジャー 村上春樹訳)です。あと、『海辺のカフカ』(村上春樹)と『新世界』(長野まゆみ)です。

―― そういう作家さんや作品を参考にしたりしていますか?

A. あまりしません。私の場合、少しでも参考にしようとすると「真似」になってしまうので。読んで楽しみ、吸収して自分のモノにまた作り直すことくらいならしますが。

―― はちたろさんの得意ジャンルはありますか?

A. 考えたことないですね・・・、書きやすいのは日常生活のなんでもない出来事に+αして書いていくこと、でしょうか。

―― 長編・短編のどちらが専門ということもない?

A. どちらかというと長編がやりやすいです。短編だとまとめるのに苦労します。

―― スランプはありますか?

A. 体験したことないですね。基本的に、書きたいときに書く人間で、毎日書いているわけではないのでスランプにハマることはないです。

―― 小説を書く環境や時間は決まっていますか?

A. 環境は、ひとりで部屋にこもって、です。時間はノれる波が来たら。音楽かけたり、外で工事やってても書いてます。音は気にしないようです。

―― 集中したら作品は最後まで一気に書いてしまう?

A. 長編はともかく、比較的短いものなら一気に書きます。

―― 長編と短編の区別はどこで決めますか?

A. 原稿用紙にしたら短編だと10枚くらい、長編だとそれ以上(30枚以上いくかな?)ですかね。長っ、と思ったら長編です(笑)

―― 文章の長さは書く前から決めていますか?

A. 大体これくらいかな、と予想するくらいで決めてません。これだけに収めろと言われれば必死で削ったり増やしたりしますが。

―― 文章読本や参考書の類は読んだことがありますか?

A. ・・・ないです、はい。

―― 最初の方で書き表せない風景っていうお話がありましたけど、小説の限界ってあると思いますか?

A. ないと思います。小説の天才(どんなだ)ならどんなことでも書き表すことができるのではないでしょうか。

―― 最後に、モノカキ仲間さんたちにメッセージをどうぞ。

A. うーん・・・、これは難しい。・・・モノカキって、すごいと思うのですよ。文章だけで人物も風景も、雰囲気でさえも創りだすことができる。私もそれを創りだす一員になれたらな、と思うのです。・・・メッセージっぽくないですね(汗

―― 長々とお付き合いいただきどうもありがとうございました。