――インタビューを始めさせていただきます。一番初めに小説を書こうと思ったのは何歳くらいのころですか? A. 13才くらいかな。中学一年生でしたよ。 ―― そのときはきっかけみたいなものはありました? A. きっかけは、ジャンプを読んでいたらジャンプノベル大賞(当時は小説・ノンフィクション大賞って名前だったと思うけれど)の告知があったんですよね。それに応募しようかと思いまして。 ―― 始めはどんなことをテーマに書いたんですか? A. テーマなんて難しいことを考えられる年齢じゃなかったですから、当時は本当に無茶苦茶に書いてました^^; ―― では、今は特に書きたいテーマとか、気にいっているテーマってありますか? A. 今はいろいろですね。少年少女の成長とか、幻想小説とか。星とか宇宙とかをモチーフにすることもよくありますし。 ―― 小説のネタってどんなときに思い浮かびますか? A. うーん。これまた難しい質問を(笑) ふとした瞬間に、ふっと思いつくんですよ。それは本を読んでいるときもあれば音楽を聴いているときもあるし、散歩しているときにだってあります。 ―― ストーリー、人物、シーン、どのあたりから思い浮かびますか? A. ストーリーと人物の両方を同時に、かな。 ―― 思いついてからどの程度話が膨らんだ段階で書き始めますか? A. 作品によって、それぞれですよ。とりあえず書きだしてみることもあれば、資料に目を通してから書きだしてみることもあります。 ―― 小説を書くための準備としてはどんなことをしますか? A. 図書館や本屋で資料を探したり、作品の舞台に直接行ってみたり、作中の小道具を実際に見るために変なお店に入ったり。あとは、ちょっと分かりにくいかもだけど、主人公の気持ちを降ろしたりですね。 ―― 主人公の気持ちをおろすって言うのは具体的にはどんなことですか? A. 主人公イコールひじりあやではありませんので、彼女たちの気持ちを知る必要があるわけなんですよね。わたしって一人称専門ですから。だから、イタコみたいな感じで、彼女たちの気持ちを「降ろす」んです。 ―― 書き始めてから途中で続きが思い浮かばなくなることってありますか? A. ありますね。でも、シーンが思い浮かばないというよりかは、その場面にぴったりの文が思い浮かばないことが圧倒的に多いんですけれど。 ―― そういう時はどうしますか? A. 気分転換します。本を読んだりテレビ見たり夜の公園を散歩したり。モニタからちょっと離れると、思いつくことが結構あるんですよ。 ―― 小説を書く上で工夫していることや気をつけていることを教えてください。 A. ごめんなさい。特にないです^^; ―― 推敲にはどのくらい時間をかけますか? A. 推敲もそんなに時間をかけないんですよね。誤字を直して、文章にちょっと手を加えて、ファミレスでお茶を飲みながら一時間くらい、長くて二時間くらいです。 ―― 好きな本や作家さんを教えてください。 A. 飯田雪子さん、早見裕司さん、津原泰水さん、小中千昭さん、横手美智子さん、加納朋子さん、竹岡葉月さん。縁がある人を含めると、もっといます(笑) ―― 文章を書く上で、そういった方々を、参考にしている点、影響を受けている点はありますか? A. いっぱいありますね。構成とか文章のリズムとか。ただ、飯田雪子さんの文章の透明さや、小中千昭さんや横手美智子さんの構成力、津原泰水さんの文章の美しさは、真似をしようと思ってもとてもじゃないけれど真似できません。 ―― 文章読本や参考書のようなものは読みますか? A. 過去に数冊読みましたが、今は読みません。ちなみにクーンツの『ベストセラー小説の書き方』は参考になりました。 ―― また文章を書く上での話しに戻るのですが、長編、短編の区別はどの段階で決めますか? A. 商業ベースとWEBベースでは区分けの仕方が変わりますよね^^; 商業ベースだと100枚までが短編、200枚前後が中編、それ以上が長編だろうし。WEBだと、30や50枚程度でも長編に分類されると思います。わたしが書くときには、あまりそういったことは考えないんですけれどね^^; ―― 長さは特に決めずに書くということですか? A. そうですね。目安として5枚でこの話と思ったのが10枚に、20枚かな?と思って35枚になったりしたので、今はあまり考えません。新人賞に応募するときは、一応規定枚数になるように調節はしますけどね(笑) ―― 得意なジャンルはありますか? A. 得意なジャンルは、女の子向けの恋愛小説、ということになっています。わたしが決めた訳じゃないんですけれど^^; ―― スランプってありますか? A. スランプというのは実績のある人が不振に陥ることを指すと思うので、わたしがちょっと書けなくなった程度ではスランプとは言えないと思います。ということで、ないですね(笑) ―― 13歳のころに書いた小説と今書いている小説とではいろいろ違う点があると思うのですが、特にどんな点で変わったなぁ、と言うか成長しているなぁと思いますか? A. 全部ですね。文章も今のほうが断然上手いですし、構成だって今のほうが巧みになってます。ま、年齢が倍にもなってますので(苦笑)、当たり前といえば当たり前なんですけどね。 ―― こうすれば小説がうまくなる、という方法ってあると思いますか? A. うーん、テクニックだけ上手くなるんだったら、いっぱい本を読んで、いっぱい書けばすぐに上手くなると思います。でも、小説の善し悪しってテクニックだけじゃないと思うんですよね。いい小説を書きたいのなら、いろんな経験をすることだと思います。旅行へ行ったり、映画を見たり、遊んだり、勉強したり、人を好きになったり。感性や感受性を磨いたり、いろいろな感情を育むことが、いい小説を書く近道なんだと思います。 ―― どんな経験でも肥やしになるということですか? A. そうですね。小説を書くのももちろんいいんだけど、それと同じくらいにいっぱい遊べよ、と昔のわたしに言いたいです(笑) ―― 小説の限界ってあると思いますか? A. もちろん、ありますよ。小説というのは、装丁や挿絵を除けば文字だけで綴っているわけですから、絵的なインパクトはどうしても映画には負けてしまいます。けれど小説だからこそ出来ることということもきっとあるはずで、小説の限界とかって考える必要はないんじゃないのかな、という気がします。 ―― 最後に小説書き仲間に一言お願いします。 A. サークルには直接関係ない人間ですが、機会があれば、どこかでお話ししましょう。 ―― ありがとうございました。 |