テーマに沿って人物を決めます。先ほどの例、兄弟愛、で行きましょう。兄弟愛ですから、兄弟のどちらかが主人公です。弟を主人公にしましょう。登場人物は当然、主人公のほかに兄が要りますね。父の危篤という場面を設定したわけですから、父親が必要です。他にも何人かいるかもしれませんが、主要人物はこの三人に決めてしまいます。 ところで。あなたは主人公のことをどのくらい知っていますか? 名前は? 年齢は? 身長、体重は? 特技は? 性格は? 見た目は? ちゃんとイメージが浮かびますか? もちろん、このすべてを小説の中に盛り込むわけには行きません。そんなことをしたら、話がいつまで経っても進みません。でも、作者は登場人物のことをすべて知っている必要があるのです。読者様が人物をイメージできるようにするために、必要な情報は盛り込まなければいけません。それともう一つ。作者が人物の属性をすべて知っていれば、勝手に彼らが動き出してくれますよ、というおまけもあるのです。 まず、紙を用意しましょう(パソコンでやってもいいのですが、図になると面倒なので)真ん中に主人公のイメージ画を描きます。絵が苦手なら“マル描いてチョン”でもいいんです。自分がイメージできればそれでいいんです。どうしても絵を描くのがいやだ、っていう人、それなら絵の代わりに主人公の名前を書いておきましょうか。 あとはそこから放射状に線を引き、主人公の特徴を一つずつ書きこんでいきます。最低……そうですね……名前、年齢、職業(ファンタジーなら種族)、見た目の特徴、性格、くらいは書きましょう。 これを一枚に一人。主要人物全員について作ります。この通りでなくてもかまいません。要は人物の特徴を紙に書きましょうね、という話です。頭の中で考えるだけではダメですよ、しっかり書きましょう。人物は出てこないんです、動物だけです、なんて言っているあなた、動物の分も書くんですよ。 これをしっかりしておくと、途中で詰まっても物語が破綻することはありません。さあ、準備はできましたか? |